少ない借金返済 債務整理|2 当事者の主張 (1) 原告らの室外機撤去請求の可否 【原告らの主張】

借金返済を上回って債務整理である。」
被告
消滅
時効


時効の主張の当否 【被告】 仮に,被告に損害賠償義務があるとしても ア平成15年2月8日以前の騒音被害についての原告らの損害賠償請求権 は,本件訴訟提起までに消滅時効が完成した。
イ被告は,答弁書の送達によって原告らに対し,上記消滅時効を援用した。
【原告らの主張】 本件における被告の不法行為は継続的行為であり,消滅時効は,その行為 が終了した時点から進行を開始する。
よって,本件においては,消滅時効は 完成していない。
第3 当裁判所の判断 1 原告らの室外機撤去請求の可否(争点(1)) (1) 人は,その居住場所において,静謐な環境の下,平穏な生活を営む人格 的利益を有しており,この利益は排他的な性質を有するというべきであるか ら,他の者がその居住場所に到達させた騒音によって上記人格的利益を違法 に侵害された場合には,他の者に対し,その侵害行為の差止めを求めること ができるというべきである。
(2) もっとも,人が社会の中で生活を営む以上,他の者が発する騒音に晒さ れることは避けられないのであるから,その騒音の侵入が違法というために は,被害の性質,程度,加害行為の公益性の有無,態様,回避可能性等を総 合的に判断し,社会生活上,一般に受忍すべき限度を超えているといえるこ とが必要である。
そこで,以下,本件各室外機が発する騒音が原告らにとって受忍限度を超 えているか否かについて検討する。
14 ア騒音が受忍限度を超えているか否かを検討するに当たって大きな考慮要 素になるのは,その騒音が公法上の基準を超えているか否かである。
第2の1(4)記載のとおり,公法上の基準としては,騒音規制法による 規制基準と環境基本法による環境基準がある。
騒音規制法は,工場及び事 業場における事業活動並びに建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる 騒音について必要な規制を行うこと等により,生活環境を保全し,国民の 健康の保護に資することを目的とする(同法1条)もので,指定区域内に 特定工場等を設置している者は,規制基準の遵守を義務づけられており (同法5条),市町村長は,特定工場等において発生する騒音が規制基準 に適合しないことによりその特定工場等の周辺の生活環境が損なわれると 認めるときは,騒音の防止の方法等に関する計画の変更を勧告,命令する ことができ(同法9条,12条1項,2項),命令に違反した者に対して は罰則を課すこととされている(同法29条)。
他方,環境基本法は,環 境の保全について,基本理念を定め,並びに国,地方公共団体,事業者及 び国民の責務を明らかにするとともに,環境の保全に関する施策の基本と なる事項を定めることにより,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画 的に推進し,もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄 与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とするものであって(同 法1条),環境基準は,人の健康を保護し,及び生活環境を保全する上で 維持されることが望ましい基準として定められている(同法16条1項)。
そうすると,環境基準が,いわば政策目標であるのに対し,規制基準は, 特定工場等の設置者に遵守を義務づけて周囲の居住者の生活環境の保全を 図ろうとするものである。
そして,被告は、特定工場等である被告高校の 設置者として、規制基準の遵守を義務づけられているのであるから、本件 騒音が規制基準を超えている場合は,特段の事情がない限り,受忍限度を 超えているものと認めるのが相当である。
15 イそこで,本件各室外機から発する騒音が規制基準を超えているか否かを 検討する。
(ア) 本件各室外機が発する騒音について,受忍限度判断の基準とすべき 規制基準は,昼間において,50デシベルであると解するべきである。


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被告高校は,学校教育法1条に定める学校であるところ,昭和45年5 月1日京都府告示第250号「指定された地域における規制基準」によ って,学校の敷地の周囲50メートルの区域内における規制基準は,本 来の第2種区域の規制基準である50デシベルから5デシベルを減じた 45デシベルとする旨の特例が定められているが,これは,学生,生徒 が静謐な環境下において勉学に取り組めるよう特別の配慮をする趣旨で あるから,一般の居住者である原告らの受忍限度を評価するに当たって は,上記特例を適用するのは相当でない。
(イ) 第1回ないし第5回測定の評価 a 第1回測定は,規制基準を上回っていた可能性が強いが,具体的な 測定条件が不明であるため,上回っていたと断定することはできない。
b 第2回測定は,規制基準を上回っていた可能性が強いが,等価騒音 レベルで評価していて,規制基準による評価方法と異なるほか,具体 的な測定条件が不明であるため,上回っていたと断定することはでき ない。
c 第3回測定は,具体的な測定条件が不明であるほか,証拠(証人 B)によると,被告職員の立会の下で実施されたことが認められるが, 実施日が4月13日であって本来エアコンの運転をしない時期である から,測定時にした運転が,暖房運転であったにしろ,冷房運転であ ったにしろ,どのような条件下でエアコンを運転したかが重要な要素 になるところ,これを認めるに足る証拠がない。
そうすると,第1校 舎のエアコンの通常の運転時の騒音を評価するについて,第3回測定 16 の結果を参考にすることはできないというべきである。
d 第4回測定は,第1校舎エアコンの運転条件,測定条件は特定でき るが,当日の外気温が設定温度以下であったから,第1校舎のエアコ ンの通常の運転時の騒音を評価するについて,第4回測定の結果を参 考にすることはできない。
e 第5回測定は,被告に知らされないで行われたから,第1校舎のエ アコンが作為なく運転された時の騒音が測定されたものと認められる。
そして,その測定方法も評価の手法も,規制基準について定められた 方法に則っていると認められる。
そうすると,第5回測定の評価値は, 51,50,52であるから,3回のうち2回は規制基準を超過して いたことになる。
もっとも,弁論の全趣旨によると,日本工業規格Z 8731では,暗騒音と対象音との差が4ないし5デシベルのときは 「−2」の,6ないし9デシベルのときは「−1」の暗騒音補正を要 することが認められるから,第5回測定においても,少なくとも「− 1]の補正が必要であるというべきである。
また,本件防音壁の存在 によって,原告方では,1階よりも2階の方が到達する騒音レベルが 高いと認められるから,到達する騒音レベルを測定するためには,本 件境界線上の高さ4.5メートルないし5メートルの地点で測定する のが相当であったというべきであり,その場合,上記評価値以上の評 価値が出た可能性が高いというべきである。
(ウ) 本件騒音の程度は,第1校舎の各教室に設置されたエアコンのうち 何台を運転するか,エアコンの設定温度,外気温等によって様々である。
第5回測定の結果は,上記の検討の結果によれば,規制基準を若干上回 る程度であるというべきであるが,このときのエアコン運転の状況が不 明であるから,第1校舎でエアコンが運転されるときに,常に規制基準 を上回っていると認めることもできないし,第5回測定時が特別であっ 17 て,通常は規制基準を下回っていると認めることもできない。
しかしな がら,少なくとも,第1校舎のエアコンが運転される場合,原告敷地と の境界線上において,規制基準を前後する騒音が到達しており,規制基 準を超えている時間帯も相当程度あるものと推認するのが相当である。
ウ原告らが受けた被害について,証拠(原告甲,同乙)によると,次の事 実が認められる。


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被告
被告においては,「エアコン使用規定」を定め,使用期間(夏季は6月 20日から9月20日まで,冬季は12月1日から3月20日まで),使 用条件(夏季は,室温28度以上,冬季は,室温12度以下),使用時間 (始業10分前から授業終了時限まで)等を定めて,秩序あるエアコンの 使用に努めている。 (2) 原告らの損害賠償請求の可否 【原告らの主張】 上記のとおり,本件各室外機が発する騒音は,原告らにとって受忍限度 を超えて違法であり,この点について被告に少なくとも過失があることは 明らかであるから,原告らは被告に対し,過去(平成6年6月から平成1 8年1月まで)の損害賠償として154万円,将来(訴状送達の日の翌日 である平成18年2月22日から請求の趣旨1項記載の各室外機撤去済み まで)の損害賠償として1か月2万円の割合による金員の各支払を求める。 【被告の主張】 13 上記のとおり,原告らの本件各室外機からの騒音被害は受忍限度を超え ていないから,原告らの損害賠償請求は理由がない。